No.10_ブラックベルトテスト④
- Yoshihiro Ohashi
- 3月1日
- 読了時間: 4分
今回の記事はブラックベルトテストについて最終回の記事になります。前回は、テスト本番のメニューやテスト内での様々な出来事について書きました。今回はその続きからになります。
2日間に渡るハードなテストが全て終了し、テスト受験者全員が満身創痍の中集められ、Krav Maga Allianceのトップインストラクターからテストの総評がありました。その総評の内容に入る前に、日本とアメリカのベルトテストの雰囲気の違いについても書いておこうと思います。私はアメリカでベルトテストを受ける前に何度も日本でベルトテストを受けているのですが、まずアメリカではテスト中に観覧者が多くいることに驚きました。受験者の家族や友人、クラヴマガ関係者など合計で30人ほどがテストの様子を見守っていて、テスト中に良い護身の動きをすると名前を呼んで声援を送ってくれました。日本では、観覧者などは基本的にゼロで受験者同士での会話も基本的に禁止されているため、かなり静かで厳粛な雰囲気の中、黙々とテスト項目の審査やドリルなどが行われます。ドリルの最中などに聞こえてくるのは、激しい息遣いや自身を鼓舞する気合いの声、インストラクターからの怒号などでした。しかし、アメリカの場合は観覧者がドリルの最中などにもテスト受験者の気持ちを盛り上げる声援や掛け声をかけ続けてくれ、雰囲気が日本とはまるで違いました。まるで好きなスポーツチームを全力で応援するかの如く、テスト受験者だけではなく、観覧者全員も一体となってテストを盛り上げ、全員で過酷なテストを一緒に乗り越えているような雰囲気でした。
そして、全てのテスト項目が終了し、Krav Maga Allianceのトップインストラクターから関係者全員の前でテストの総評があり、冒頭で私に関してのアナウンスがありました。日本語に翻訳した大まかな内容を以下に書きます。
「今回、Yoshi(海外での私の呼び名)はオーストラリアからアメリカまで遠路はるばるベルトテストを受験しに来ました。Yoshiはこれまで10年近くクラヴマガのトレーニングを続けていて、現在はブルーベルトを保持しています。今回はブラウンベルトテストを受験するためにアメリカに来ました。しかし、今回の2日間に渡るテストの中で彼のパフォーマンスを厳正に評価し、評価担当インストラクター4名で慎重な協議を重ねた結果、彼には飛び級でブラックベルトを与えることに決めました。」とのことでした。そのアナウンスの瞬間、評価担当インストラクター、テスト受験者、スパーリング担当のブラックベルト保持者、観覧者のその場にいた全員が私の方に視線を向け、スタンディングオベーションで盛大な拍手と喝采を送ってくれました。
過去の記事にも書きましたが、日本で所属していたクラヴマガ団体内ではゴタゴタにより、テスト受験条件に既に達しているにも関わらず、ベルトテストがずっと受験出来ないもどかしい期間が長くありました。ベルトの色を追い求めることはもうやめて、本物の実力を身につけることに専念しようと思った時もありましたが、クラヴマガのトレーニングを始めた20歳の時に自分の中で決めたブラックベルトという目標がずっと頭の片隅には残っていました。そのブラックベルトを、今回まさかの飛び級という形で、海外のクラヴマガ仲間達に大いに祝福されながら取得することが出来ました。その時のシーンは今でも頭の中に鮮明に残っています。2日間に渡る過酷なテストでの疲労感と達成感、様々な国々の仲間達からの拍手喝采が相まって、これまでの約10年に渡る自分の様々な思いや気持ちが天に向かって昇華されていくような感覚を覚えました。ブラックベルト取得は、私が20歳の頃から色々とお世話になっていた今は亡きクラヴマガメンバーとの約束でもあったので、飛び級という思いがけない形でしたが無事に達成することが出来て、ホッとした気持ちにもなりました。
日本帰国後に聞いた話によると、飛び級でのブラックベルト取得は、過去に聞いたことがないぐらい珍しいことで、ディプロマ(合格証書)のシールが金色であることは最高評価での合格を意味するとのことでした。今後もこれに満足することなく、肉体的にも精神的にも技術的にも日々精進し続けたいと思います。





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