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No.5_クラヴマガの実戦性

  • 執筆者の写真: Yoshihiro Ohashi
    Yoshihiro Ohashi
  • 1月25日
  • 読了時間: 3分

前回の記事ではクラヴマガの特徴について、人間が本来持つ条件反射を護身の初動に応用していること、護身における基本的な4つのステップについて書きました。今回の記事では、クラヴマガの実戦性について書こうと思います。クラヴマガの技術はイスラエル諜報特務庁や SWAT、FBI、GIGNなど、本当に命を失うかもしれない現場の最前線で戦う世界各国の軍隊・警察などにも導入されています。その道のプロフェッショナル達から実際に選ばれているという事実からもクラヴマガの実戦性はすでに証明されているのですが、その理由についてもう少し詳しく書こうと思います、


No.3「トレーニング内容」の記事で、クラヴマガのトレーニングの一部として「ドリル」を行うと書きました。ドリルとは、例えば5人組を組んで、自分以外の3人が大きいミットを持って、押したり叩いたりなど攻撃を加えてくる中、自分はミットに対してパンチやキックなどの打撃を全力で打ちます。そして残りの1人が打撃を打っている自分に対して、突然ナイフで刺してくる、首を締めてくる、殴りかかってくるなどの攻撃に対してディフェンスを行い、相手からナイフを奪うなど安全な状態にしたら、すぐにまたミットに対して全力で打撃を打つといったような、かなりハードなサイクルを数分間連続して行います。


クラヴマガでは、なぜこのようなハードな「ドリル」を行うのでしょうか。クラヴマガはフィットネスとしての側面もあるため、運動量を上げて脂肪の燃焼を促すなどの意味もあるのですが、それだけではありません。例えば、少し想像してみてください。街中で突然因縁をつけられて、チンピラ数人に囲まれ、その内の一人に胸ぐらを掴まれて、今にも殴られそうな状態。または、電車に乗っていたら、乗客の一人が突然ナイフをカバンから取り出し、次々と周りの乗客を切りつけ始め、その犯人が自分の方に向かってくる状態。もしこのような状態に皆さんが実際に遭遇した時、身体はどのような反応をするでしょうか。人によって多少の差はあれど、身体が恐怖で硬直して思うように動かず、呼吸のペースや心拍数も急速に速くなり、パニック状態で頭で冷静な判断など出来なくなるでしょう。護身術はこのような状況の時にこそ使える必要があります。


先ほど例に挙げた5人組の「ドリル」を思い出してください。全力の打撃をミットに打つことで、心拍数が急上昇し、脳へ送られる酸素も少なく、 数分ほどで徐々に意識がぼんやりし始め、身体も乳酸が溜まり動きが鈍くなっていきます。その中で、突然ナイフで刺してきたり、首を絞めてきたり、殴りかかってきたりする相手に対して、正確にその日習った護身を行う必要があります。この身体の状態は先ほど皆さんに想像してもらった状態と同じであることに気づくでしょう。実際に街中で突然襲われた時に、このような状態からでも身体が自動的に反応し、適切に対処出来るように「ドリル」トレーニングの中で疑似状態をあえて作り出しているのです。ただ単にキツいトレーニングをしている訳ではありません。また、夜道で襲われることも想定してスタジオの電気を消してトレーニングしたり、電車の中を想定して座った状態でトレーニングしたり、レストランで近くにある椅子やカトラリーなどをどのように有効に護身に使うのかを想定したトレーニングもあります。


クラヴマガの実戦性について、その理由を少しご理解いただけたのではないでしょうか。「ドリル」のようなハードなトレーニングをすることで、心理的にも強くなれるという効果も見込まれます。次回の記事では、このような普段のトレーニングよりも遥かにハードなベルトテスト(昇級試験)について書こうと思います。

 
 
 

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